愛おし憎し 2016年09月23日 その他ヤモリ コメント:0

Ailuronyx seychellensis

Ailuronyx seychellensis

元からうちにいるオスの伴侶を求めてはや6年。やっとメスが手に入った。
私は目の丸い類のヤモリが苦手で、これと近いヒルヤモリなんかはどれほど恰好が良くてもギュンター以外はあんまり興味が持てない。
しかし、そこでこのセイシェルブロンズゲッコーの登場である。瞳が縦長と言うだけでこの迸る悪意、滲み出る性格の悪さ。セイシェルの黄色い悪魔にして黄衣の王、風に乗りてすすむもの。
一度人の手を離れれば、まるで空間を跳躍するかのように縦横無尽に走り、やっとこちらの視線がやつを捕えたのかと思えば、口の端を捻じ曲げて笑いながら、よりにもよって一番大きくて重い棚の陰に引っ込んでゆく。あの時のこのヤモリの目には黒い知性に彩られた明確な悪意と嘲笑がある。
それでも死力を振り絞ってかの悪魔を夜通し追い詰め、明鏡止水の心持ちのもと、やっとのことで掴んだ腕の中で動くヤツを感じたなら、次の瞬間にはその一部が必ず床に転がるのである。びちびちとのたうつ尻尾を見つめながら、はて、これが何度目の自切であったであったかと思い出す余裕が出来たのは一体何度目からだろうか。悪魔と何度となく対峙するうちに私もまた強くなったのだ。
こんなろくでもないに更に輪をかけて注連縄を張って奉ったかのようなヤモリだが、その容貌はやはり抜群に格好が良い。壁面性ではイスパニョーラの巨人アリステリガーと双璧であろう。愛と憎しみ、セイシェルの黄色い悪魔は今日もケージ越しにこちらを嘲笑う。

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