砂塵の果てに 2014年12月25日 その他ヤモリ コメント:0

Alsophylax pipiens

Alsophylax pipiens

砂塵の妖精、砂礫の申し子。中央アジアに現存する妖精の一種。今回の荷物の中でも最小にして、最大のぶっちぎりダークホース。中央アジアに広く分布する属であるけど、どうやら無茶苦茶生息環境をえり好みするようで、ネットに載っているような適当な分布図なんかはまずあてにならず、超ピンポイントな地域でしかお目にかかることが出来ないらしい。実際今回やってきたトリオの採集地を聞いたときは流石に背筋に冷たいものが走った。よりにもよってなんでそんなとこにいるのか。

まぁなんですか、とりあえずはこの大きさをご覧頂きたい。小さいんですよ。

Alsophylax pipiens

こんな風にな。

Alsophylax pipiens

ランドゲッコーの最大級、アフリマンのフゼンスタンと比べるとこの有様である。小さい。あまりにも小さい。
爬虫類飼い始めて20年余り、ここまで小型の動物には今まで手を出してこなかった。
これが来た時は、頻りに電話口で「シラス」と「爪楊枝」という言葉が度々繰り返され、やれ「大体太さが爪楊枝二本分」だの「ヤモリと言うよりかはシラスですね、もうそうとしか言いようがない」等と大いに私を狼狽えさせた。
「そんなこと言っても、やっぱり脊椎動物だし、実見したらそこそこ大きさあるんじゃないの」と自分を見失わぬよう、少しでもこれから待ち受ける現実からのダメージを軽くしようと思い込んだが、実際受取に行ったら、やっぱり言われた通り、まぎれもなくシラスで爪楊枝で、デリカップの片隅で3匹固まって蹲っている姿に現物が見れたという感嘆とは別の種類の嘆息を含め、吐息一つで色々なものが抜けてゆくではないか、なんだこれ、今家にいるコオロギこいつらより小さいのいないよ!?

Alsophylax pipiens

しかし、こうしてレンズ越しに眺めてみると中々端正な佇まいのヤモリである。これは決して今回の荷物が、このヤモリのせいで当初の予定額の7倍にまで跳ね上がり、結果私が軒下で砂利を雨水で和えたものを啜っているという現状を鑑みてもそう言える。言えるんだ分かったか。
胴長で短足の体躯で、サラマンダーゲッコーに似ているといえば分かり易いか、もっと言えばパチダクのマリクエンシスを小さく、地味にした感じなんだけど、そこまでしてここまで独特のヤモリを例える必要も感じない。動きは割とばたばたと走る。壁面は登れず、ほぼ立体活動はしない。観察するに昼間はほぼ石や枯れ木の影に身を隠し、夕方から活動を開始する類のように見える。
小さい小さいと繰り返したが、頭の大きさほどのコオロギを与えると夜間の内に全て食い尽くしたので、餌の選り好みはせず、そこは飼い易いと評価できる。成体のコオロギを買ってきて、採卵する習慣をつければ、餌の問題は余計にお金を付けなくとも何とかなるだろう。

明日からは通常営業に戻ります。

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