生の実感 2014年09月02日 Tarentola コメント:0

Tarentola americana

昨夜、一瞬のスキを突かれて脱走を許してしまった。当然、夜を徹しての大捕り物。
当然温室内は脱走を防ぐため窓は閉じられ、中に入り込まれるからエアコンも停止。換気扇も止めて完全に密閉された状態での戦い。9月の夜中とは言え空気が動かなければ数分で汗をかくほど暑い。
額に滲んだ汗が目に入る。無言で棚をどかす、その先にちらりと尻尾が見えるが直ぐにまた別の物陰に消える。
自分の迂闊さを呪いながら黙々と小さなヤモリを追う。また汗が目に入る。向こうからすれば生きるか死ぬかの逃走なんだろうが、こっちだって心が死ぬか死にそうになるかの戦いなのだ。負けるわけにはいかない。
最初の頃は毒づきながら追っていたが、いつしか無言になって流れる汗も拭うこと無く機械的に追う。プラケの裏から隣のケースへ、そして撮影スペースの暗幕の裏に入り込む。わきから位置を確認して明鏡止水の心持で上から暗幕ごと抑え込む。やった、掌の下に動く気配がする。
実に嘆かわしいけど、この瞬間に私は生きているって感じがする。けど尻尾切れたりしたらやっぱり心が死ぬのでどうあってもヤモリを逃がすのは愚の骨頂だと思う。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する